白黒の美・墨流し

「コースターって何⁇」から始まった墨流しのコースターづくり。平たい容器に水を張って水面が静かになるまで待ちます。「なんだか息が止まるね…」。水面が落ち着いたら墨汁に浸した綿棒を水面に浸けます。墨汁の輪ができたら、薄い中性洗剤液に綿棒を浸して、墨汁の輪の中心へ。すると、あら不思議! 墨汁が綿棒の周りに円を描きます。この作業を繰り返すこと数回。墨汁で木の年輪のような模様ができたら、中性洗剤液をつけた竹串で、縦に横に上に下にと散らします。偶然にできる模様は一つとして同じものはありません。好きな部分にコースターをそっと落として取り出すと、モノクロマーブル模様がコースターに写し取られました。10枚のコースターと葉っぱ型の和紙に墨流しを施して、作業は終了。マーブル模様にこだわりを持ち、最後はシンプルな模様までいろんな作品にチャレンジしていたSちゃん。「墨汁で水を真っ黒にしてから竹串で書く」と言い、いざ描いてみると「あれ⁈描けない!」と不思議顔していたT君。墨の香りが気になると言いながら、熱心に手を動かしていたMちゃん。みんな夢中になってあっという間に仕上げてしまいました。

コースターが乾くのを待つ間に「墨」のお話をしました。墨には松煙墨、油煙墨、洋煙墨の三種類があります。持参した「油煙墨」は植物性油脂を燃やした煤に膠と香料を入れて練り固めたもので、2種類をくんくんとかぎ「匂いが違うね」と興味津々です。少し説明すると、松煙墨は松の木を燃やしてできた煤で作る墨。 最も古い墨の作り方で、光沢が少なく色の幅が広く深みのある色になります。 油煙墨は一般的な墨で、菜種油や椿油などの植物性油脂を燃やしてできた煤で作ります。濃く磨ったものは見た目も鮮やかで光沢があります。洋煙墨は墨汁と呼ばれる一般的な墨で、石油や石炭などの鉱物性の油を燃やしてできた煤にコールタールやカーボンブラックを混ぜて作ります。

最後に「親鸞聖人750回大遠忌記念 本願寺展 親鸞と仏教伝来の道」(編集:九 州国立博物館/発行:西日本新聞社)から、墨流しを使った料紙を探しました。「これきれいね」「すご~い!」「なんて読むの?」。読みづらいかなで書かれた和歌を覗き込む子供たち。コースターづくりを通じて、日本の料紙を作る技術の高さや墨の黒の美しさを感じてくれたら嬉しいです。そして夏休みにご家庭でも楽しんでいただけたら幸いです。(Su)